あゝとに熱く!パート2 性、この永遠なるもの(文学、考察シリーズ)

 パート2 性、この永遠なるもの(文学、考察シリーズ)

<起章>

 S氏は相変わらずのグータラな生活である。彼は、毎日、ブログを書いてはいるが、ゴルフの練習に行っても警察に見つからないことを祈りながらビールを飲んだり、一番怖いワイフの叱責を気にしながら朝、昼、晩とフランス人のワインではあるまいに、焼酎のお湯割を飲んでいる。そして、やるぞと決めた勉強もせず、本も読まなくなり、ニュースペーパーでさえ油断していると読まずに2、3日分を溜めているのである。

 人間には生来の性格があり、彼はルーズな性格と自覚はしているようであるが、相も変わらない生活ぶりなのである。であるが、今、一つだけ気にかけていることがある。それは、美人のフィギアスケーターがシングルママを宣言したことなのである。恐らく、彼は、つい最近、彼のブログでセックスのことを書いたので頭の隅にそのことが残っているからであろう。そして、彼女はベビーの父親を明らかにせず、同棲相手も居て、その男は自分のベビーではない、と語り、彼女のママは、男が生活力を持つまで結婚は許さないということなのだ。

<承章>
 
 S氏は、彼女は相当にネームを売っているスケーターであり、日本人の殆んどが知っているのに、シングルマザーと宣言したことは勇気があると感心したのだが、世の中が彼女に賛辞を送っており、その賛辞には少し違和感を持っているのである。

 そして、彼女が言わない限り、誰が彼女のセックスの相手であったか解らないが、週刊誌やテレビでは、彼女のロシア人の元コーチであるかも知れない、と取りざたしているのである。そのロシア人のコーチはどういうわけか、いずれもスケーターの選手と3回も結婚し、離婚している男なのである。

 S氏のそのような様子を見ていると、何も、そのようなどうでもいいことに思いをめぐらす暇があるのなら、気に懸けている勉強や毎日読むと決めている新聞を読めば良いのに、と思うが、彼はルーズな性格であるから自分の好きなことのみに関心を示してしまうのであろう。人間の悲しい性なのかも知れない。

<転章、>

 S氏はテレビは好きでテレビ人間と言っても良いであろう。暇があればテレビを見ているのである。もっとも、彼の知り合いの心理学者も7台ものテレビをいつも点け放しているそうだからルーズな性格の上に変人とは言わなくても良いであろう。

 S氏はアメリカの吹き替えなしのドラマは、良く見ていて、見ることで英語の勉強にもなると考えており、そのドラマでは、今のアメりカの女性は遊びで、平気で男とセックスをしているなと感じているのである。

 どうやら、アメリカでは男女の愛などには関係なく、セックスだけをする関係が存在しているのだ、とS氏は理解しているのである。セックスとは快感のある行為であるから、日本にも、未だ数は少ないだろうが、そのような女性が存在を始めていてもおかしくはないだろう、とも理解しているのである。

<結章 >

 人間の喜びにも種類がある、とS氏は考えている。食べることからセックスの快感もそうではあるが、人間が長い時間生き延びて来た生成の過程に置いて、群れを作ること、つまりは、社会としての集団を作り、そこに加わって所属することの安心感や男や女がそれぞれに存在を確認することでの喜びもあり、一番の喜びは、ものを作り出すことや新しい真理の発見なのである。

 そうして、人類は進化してきて生きとし生ける者として、全ての生物の最高位に君臨するに至った。そして、セックスの快感は、快感ではあるが、それだけに過ぎない。

 S氏は考える。セックスの喜びを否定はしないが、男女の二人の間に愛が存在し、その証として二人がその行為を行い、その上、二人が存在を確認しあってこそ、その快感は無常の喜びとなるのである。そして、理想としては、二人は夫婦として、二人のベビーを共同して育て、生涯を終えるのである。

 S氏はそう考えて、ひょっとすると、彼がせっせとブログを書いて誰かが読んでくれることを期待することは、社会の一員として、自己の存在をこの社会にアピールすることで、そして、そこに喜びを感じているからであろう。またこの行為は単なるセックスよりは高度な喜びが伴う行為である、とも考えたのである。

○ 性、この永遠なるもの(文学、考察シリーズ)
 << 作成日時 : 2013/07/05 05:02 >>
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 (おわり)

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