あゝとに熱く!あるコンペにおけるめずらしい情景(ゴルフ真面目日記(147))

 あるコンペにおけるめずらしい情景(ゴルフ真面目日記(147))

 S氏はゴルフをやっている。本格的に始めたのは60歳からである。そろそろ定年を迎えると覚悟を決めたある日にリタイアした後の彼のすることを思い描いたがその中で続いているのが唯一ゴルフである。その外のものはほとんどは浮世のはかないバブルとして虚しく消え去った。

 ゴルフが続いている最大の理由は幾つものコンペに参加していることとゴルフ好きの友人がいてエントリーなどをしてくれるからである。それに、楽しい適度な運動であると彼が考えているからであろう。

 それで、昨日もあるコンペに参加してきたが、何時ものことであるが余り良い成績ではない。そのコンペで面白い現象に気づいたのである。

 それは、ゴルフの手足れ/手練(てだれ)のことである。S氏が彼のことについてあれこれ言ったところで、後輩であるから怒らないであろう、とS氏は考えている。彼は良くS氏のことを紹介してくれる。Sは私の高校の先輩である。時宜に応じて、後に必要な説明がつく、昨日であれば、喉頭癌をやっております、と紹介するのである。

 勿論、彼はシングルさんである。国体に出たこともあるのである。当然、クラちゃんになったこともあり、グランドチャンピオンにもなったことがあるのかどうかはS氏は承知していないのである。

 注:グランドチャンピオンとは様々に使われるが、本来の意味は、オリンピックの翌年に開催され、この年に開催される4大陸(※)選手権大会の優勝4チームと開催国(日本)および推薦国(ワイルドカード)の6チームで競われる賞金大会。1993年に第1回大会が開催され、2009年大会で5度目を数える。

 彼は世話好きなのであろう。S氏の行ってきた昨日のコンペも切り盛りしているのである。何も文句の無い運営であると言ってよい。このコンペは彼の足腰が弱ってしまうまで続いていくとS氏は考えているのである。

 ゴルフのコンペについては、大きなものはアウト、インの同時スタートで始まる。その理由は、会食の伴うコンペの結果発表が必要で、ゴルフが終わった後の待ち時間を少なくするためである。小さなコンペはどちらか一つでスタートするのである。

 それで、各組のというよりは各人のスタート時間ついては、記録などを残しておいて、均等に当たるように手配するのが幹事の役目である。早くスタートすると風呂にゆっくり入れるが、待ち時間が長くなり、逆に、最後にスタートすると上がる時間が最後であるから小心者などは皆に迷惑になるからと風呂にも入らない。しかし、稀には一切そのようなことに無頓着な人物も居る。

 たかが、ゴルフのコンペと言っても人生の縮図である、あるいは人物像の具現の場所であるとS氏は考えているのである。ゴルフは楽しくするものだと考えている人物はルールなどは一切無頓着である。楽しく過ごせば良いのである。

 また、億という競馬を所有する人物が生年月日の誤りから優勝を逃すとその場で怒り出して、帰ってしまうというような場面もあるのである。

 さて、S氏の後輩のクラちゃんのことなのであるが、待ちくたびれた会長などが最後に上がった彼に、不用意に表彰式を急がせると、暫く食事時間を取る時間をくれ、と要求することなのである。しかも、昨日のことではないが、成績が悪いと喧嘩腰になるという人間らしい一面があるあることにS氏は、微笑ましく、昨日、気が付いたのである。

 まさしく、ゴルと言う趣味は人生縮図であるな、とS氏はいまさらながらに思いが至ったのである。

 (おわり)
 

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